ポーランド語は日本人にとってあまりなじみのない言語のため、良いテキストが少ないです。
そんな中、私がポーランド語学習に必須だと感じた本を4冊紹介しています。「これは使いやすい!」「わかりやすい!」と思って使っているおすすめの本です。
この中には現地ポーランドで人気のテキストも紹介していますので是非参考にしてみてください!
入門におすすめの「ニューエクスプレス+」CD付
日本人がポーランド語のテキストを探したときに必ず目にするであろう「ニューエクスプレス+」は入門に必須のテキストだと思います。
会話の例文は、挨拶や自己紹介、買い物時の会話例があるので、より実践的です。ポーランドに来てから似たようなシチュエーションにも出会うので、このテキストで学習したおかげでその時の会話は聞き取りもしやすかったし答えるのも簡単に思えました。
「ニューエクスプレス+ ポーランド語」は通販や書店で2,750円で購入可能です。CDが付いていますが、音声は専用アプリでも聞くことができます。
おすすめポイント以下の3つです。
- とにかく読みやすい
- 練習問題では自分について答える質問もあり、解答例も参考になる
- 巻末に語形変化表がまとまっている
「ニューエクスプレス+ ポーランド語」はポーランド語の重要な文法をサラッと学べる印象ですので、一番初めに使うのがおすすめです。
とにかく読みやすい
何かを学習をするときに、文章がびっしりだと疲れてしまうというか、読みにくいですよね。その点、ニューエクスプレス+は視覚的に学習しやすいテキストだと思います。
会話のやりとりとイラストが描かれており、次のページでその章のポイントが解説されています。
何がポイントなのかも明確なので学習しやすいです。
練習問題では自分について答える質問もあり、解答例も参考になる
2章ごとに練習問題があり、その章で学んだ文法を使って自分のことを答える質問があるので、実践力も付けることができます。
学んだことをアウトプットするのは考えながらなので時間がかかりますが、ここでじっくり考えてアウトプットできるので、実際の会話で似たような質問をされた時に考える時間が減ったなと実感できました!
「こういう時にはどう答えればいいのだろう?」と思っても、的確な解答例が付いているので安心です。
巻末に語形変化表がまとまっている
ポーランド語の何が難しいって、変化が多すぎるところ!性別や格、時系列でも単語や動詞がそれぞれ変化するから混乱しやすいですよね。
この本の巻末にはすべて表でまとめられているので、「この格の時にはどう変化するんだっけ?」と悩んだときに確認しやすいです。
ポーランド語を学習する際にはこれらの変化形を覚えるのが一番大変ですよね。私はそれぞれの格の変化をこの表で毎回確認しながらマスターしていきました。
文法をマスターしたいなら「一冊目のポーランド語」音声付
ニューエクスプレス+でも文法をさっくりと学習することができますが、会話がメインです。ポーランド語の文法をマスターしたいなら「一冊目のポーランド語」をお勧めします。
「一冊目のポーランド語」は通販や書店で2,750で購入可能です。
おすすめポイントは以下の3つです。
- とにかく文法について細かく書かれている
- 練習問題も文法中心の問題
- それぞれの動詞の変化形の音声がたくさんある
「一冊目のポーランド語」は「ニューエクスプレス+ ポーランド語」を使った後に購入することをお勧めします。その理由は文章での解説がほとんどなので、全く何も知らない状態だと理解しにくいですし飽きやすいからです。
実際私はこのテキストを一番初めに買ったのですが、読み疲れと飽きがきてしまい、数章進めただけで一度やめてしまいました。
とにかく文法について細かく書かれている
「一冊目のポーランド語」は割と文章がびっしりの本です。イラストは一切ありません。その分文法について詳しく書かれています。
解説も文章でズラッと書かれていますが、事前にある程度の知識があれば問題なく読み進めることができます。
練習問題も文法中心の問題
練習問題についても「それぞれの動詞の変化形を挙げなさい」というような文法の問題が多く、しっかり文法をマスターしたいという方におすすめのテキストです。
動詞などの変化はある程度法則が決まっていますが、それぞれの動詞で少しずつ異なる変化もあるので、頻出動詞の変化を全て確認できるのは嬉しいですよね。
それぞれの動詞の変化形の音声がたくさんある
また、それぞれの変化形の表が章のなかにたくさん載っているのですが、それぞれの音声も付いているので便利です。
ポーランド語は発音も難しいですから、カタカナで書かれた発音よりも実際の音声を聞いて覚えたいですね。音声についてはCDは付いておらず、出版社のHPから聞けるようになっています。
毎日使う「ポーランド語辞典」
次に紹介するのは白水社出版の「ポーランド語辞典」で、私が知る限りポーランド語と日本語の唯一の辞書です。
「白水社 ポーランド語辞典」は2023年5月現在予約注文となっており、通販や書店において7,150円で予約可能ですが出版予定日は2023年6月11日となっています。
おすすめポイントは以下の3つです。
- 日本語からポーランドを探すこともできる
- 例文が使える
- 動詞が必要とする前置詞がわかる
言語学習に辞書は必須ですよね。「白水社 ポーランド語辞典」は「ニューエクスプレス+ ポーランド語」と同様ポーランド語学習を始める際には一番初めに手に入れるべきだと思います。
日本語からポーランド語を探すこともできる
日本語で「これって何て言うんだろう」と思ってネット検索してもポーランド語の場合ほとんど出てきません。またGoogle翻訳で検索してみようと思ってもイマイチ意味が合っていないことも度々あります。
そんな時、この辞書があれば日本語から逆引きできるので便利です。
日本語から調べられる単語数は少ないですが、よく使うような表現は大体ここで逆引き可能です。
例文が使いやすい
しかも全部ではないですが例文も書いてある単語もあり、その内容が実際に使える内容のものなので、単語だけでなく使い方も学べるので便利です。
人と会った時に「~によろしくね!」というときがありますよね。この辞書で「挨拶する」を調べると、「pozdrów ode mnie żonę→奥さんによろしくね」という言い方も学ぶことができます。こういったよく使う表現が例文なのは嬉しいですね。
動詞が必要とする前置詞がわかる
ポーランド語では動詞によって必要な前置詞が異なりますが、辞書にはその必要な前置詞も載っているのでポーランド語学習には必須の辞書でしょう。
私は毎日のようにこの辞書を使っています。一つ単語や動詞を調べるだけで意味だけではなく、使い方や変化形も分かるのは便利ですよね。
ポーランドで人気の「HURRA! PO POLSKU」CD付
次に紹介するのはポーランドで人気の「HURRA! PO POLSKU」というテキストです。このテキストは「ニューエクスプレス+ ポーランド語」で大まかな文法や表現を学んだあとに購入することをお勧めします。ポーランド語で書かれたポーランド語の文法のテキストなので、全くの初心者だとこのテキストを有効活用できません。
私はおおまかな文法と挨拶などの超初歩的な表現を知っている程度でこのテキストに取り組みました。知らない単語がたくさん出てくるので毎度調べる必要はありましたが、問題なく進めることができました。
私はこのテキストを使うことによって聞き取り強化とよく使う表現がマスターできたなと実感しています。
HURRA PO POLSKUには教科書とワークブックがあります。
HURRA!!PO POLSKUにはCDが付いていますが、専用のアプリがあり、音声だけでなく動画も視聴可能です。
このテキストのおすすめポイントは以下の3つです。
- 頻出単語が身につく
- 日本語のテキストよりも細かい
- 音声がより実践的
まとめ方や触れられている内容も日本のものとは異なりますので、「HURRA! PO POLSKU」はもっと深くポーランド語を学習したいと思っている方にとてもおすすめです。
頻出単語が身につく
初めはわからない単語だらけなので調べながらでしたが、質問文では使われる単語が同じものが多いですので、一度調べて覚えてしまえば問題ありませんでした。そのように文章中や質問でよく使われる動詞や単語をすぐに身に着けることができます。
テキストの最初の章では「もう少しゆっくり話してください」や「もう一度お願いします」など初心者が良く使うであろう表現もたくさん載っているのもうれしいですよね。
このテキストを使う場合には、ポーランド語しか書かれていないので、単語などの意味は前項で紹介している辞書とGoogle翻訳機能を使うことをお勧めします。動詞や名詞が変化していると辞書で調べるにも見つけられない場合もあるので、その時にはGoogle翻訳で意味を理解してから辞書で探した方が見つけやすいです。
日本語のテキストよりも細かい
日本語のテキストではあまり触れられないような細かいこと(例えば前置詞に続く名詞の格や、同じ意味の動詞の使い分けなど)がまとまっているのもおすすめポイントです。
日本語のテキストでは動詞などの変化、未来形、過去形や格については詳しく書かれていますが、実際の会話で私がいつも悩む、”前置詞に続く名詞の変化”についてはあまり触れられていません。このテキストでは下の画像にあるように表にまとめられていて覚えやすいです。
またポーランド語では”行く”という動詞は不完了形だけでもiść,jechać,chodzić,jeżdzićの4つの動詞があります。ポーランド語を学習し始めると「行くって言う時、どの動詞を使えばいいのか?」という疑問を一度は抱くでしょう。この表を見ると使い分け方が分かりやすいです。
そういった大まかな文法だけでなく痒いところに手が届くような内容もしっかり記載されているのは嬉しいですよね。
ポーランド語の「行く」の使い分け方について、別記事にまとめていますので、ご興味ある方はぜひご覧ください。
ポーランド語の「行く」の動詞の使い分け方!ニュアンスの違いも解説
音声が実践的
そしてHURRA! PO POLSKU一番のおすすめポイントは音声についてです。私のポーランド語の先生は「日本で売られているポーランド語のテキストの音声はゆっくり過ぎる!こんなスピードで実際に話している人はいないよ」とのことでした。
確かに話すスピードが速く、初めは何を言っているのか全く分からなかったということも度々ありました。ですが、巻末には音声の内容が文章で書かれているので安心ですし、学習しやすいです。
私のポーランド語の先生いわく、ポーランドにある外国人向けのポーランド語教室でも用いられているテキストだそうです。
何度も聞いて、文章を見て内容を理解することを繰り返せば、耳もその速さに慣れてきます。私は会計の時に店員さんに言われる金額が全く聞き取れなかったのですが、このテキストの数字の項目を学習してからは聞き取れるようになったのを実感できました。
聞き取りを伸ばしたいという方はHURRA! PO POLSKUが一番おすすめです。
テキストに取り組む順番のおすすめ
これらの4冊の本はどのタイミングで買うべきでしょうか。私のおすすめは以下の順番です。
- 「ニューエクスプレス+ポーランド語」と「ポーランド語辞典」
- 「HURRA! PO POLSKU」
- 「一冊目のポーランド語」
私はその名前から「一冊目のポーランド語」を初めに購入しましたが、知識が全くない状態だと読み進めるのは難しかったです。
そして「ポーランド語辞典」を最初は持っていなかったのですが、購入してからは学習しやすくなり、もっと早めに購入しておけばよかったと思いました。
「ニューエクスプレス+ポーランド語」でサクッと文法を学んだ後、「HURRA! PO POLSKU」で表現や言い回しや聞き取りを学び、最後に「一冊目のポーランド語」で詳しく文法を学ぶという流れが良かったなと思いました。
失敗したテキスト
これまでおすすめのテキストを紹介してきましたが、買って後悔したテキストもあります。
それはポーランドの子供たちが使うようなテキストです。主人が子供はこういった本でポーランド語を学んでいくとのことで買ってくれたのですが、私にとっては実用性がありませんでした。
詩やポーランドの昔話が多く、表現や使われている単語がとても独特で、実際の会話ではほとんど使わないもの。
ポーランドの文化を学びたい方や読み取りを強化したい方は良いかもしれませんが、私は生活するうえで必要な単語や表現が学びたかったので、実用性がなさ過ぎて少し進めただけでやめてしまいました。
まとめ
以上ポーランド語学習におすすめのテキスト4冊を紹介しました。
- 入門には「ニューエクスプレス+ポーランド語」でサクッと文法や会話の学習
- ポーランド語の学習を始めるなら「ポーランド語辞典」は初めに揃えたいテキストの一つ
- 「ニューエクスプレス+ポーランド語」の後は「HURRA!!PO POLSKU」で言い回しや聞き取りの強化
- 最後に細かい文法は「一冊目のポーランド語」が学ぶ
- ポーランドの子供向けのテキストは実用的でない
言語学習する時にはどんなテキストを選ぶのかも大切ですよね。それぞれのテキストで特徴が異なりますので、何を学習したいのかによってこれらのテキストを参考にしていただければと思います。
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